連続テレビ小説「瞳」で
一本木百子役を演じる飯島直子さんが役柄に対する思いを語る。
NHKステラ6/20号より抜粋
司会者♪ 今週の百子は仕事のリスクを顧みずに熱い一面を見せていますね。
飯島★☆ 百子は順調に出世してるんですよね。副支社長になったし、営業成績も常にトップだったららしいし、(笑)。それは月島を離れてから、仕事が自分を支えていた部分があると思うんですよね。そうじゃないと、キャリアウーマンはできないと思います。でも月島に帰ってくると、自分のバランスが崩れるんですよ。月島でお父さんや長屋の人たちの顔を見ると、月島の血が騒ぐというか、一本木家の気持ちが出てきて、啖呵切っちゃったりして。やっぱり、仕事って場所によって変わるんですよね。家に仕事を持ち帰ると、会社でやっているのと同じようにはできないじゃないですか。生活スペースに仕事を持ち込むとどうしても調子が狂いますよね。百子にとっては月島がそういう場所で、月島では熱くなっちゃうんだと思います。
司会者♪ 熱いといえば、勝太郎とのケンカのシーンはかなり熱く見えますが.......。
飯島★☆ 百子と勝太郎さんは.....2人とも20年前のケンカした時で時間が止まってしまっているんでしょうね。だから、2人で顔を合わせると、ケンカ別れした時に2人とも戻ってしまうんじゃないかな。似た者同士なんですよね。
お父さんと瞳と一緒にいるシーンは、演じていて難しいんですが。百子って子どもっぽいところがたくさんあって、お父さんに対してはすぐにムキになるし、でも、瞳の手前お母さんっぽいところを見せたい気持ちもあって......そのバランスが難しいですね。瞳はしっかりした子なので、ちょっと駄目なお母さんでも「お母さんはこういう人なんだ」って、わかってくれていると思いますが。
司会者♪ 瞳には電話で相談に乗ったり、仲のいい親子ですね。
飯島★☆ 瞳が東京に出てきたばかりの時は、初めての東京で、養育家庭のことを勉強しつつ、ダンスをやって、おじいさんと一緒に住んで、いろいろなことがあったので、瞳が相談の電話をかけてくるんですよね。それはちゃんと受けるんですけど、あっと言う間に瞳は大人になってしまって....今度はこっちが愚痴を聞いてもらうような状態に(笑)。どうしようもない母親のシーンも多いですね。そういうのって、百子が若くして瞳を産んだことと、母子家庭だったからだと思うんですよ。変に母親ぶっても、やっていけなかったんじゃないかな。すごく突っ張りたいところもあったでしょうけど、それだけでは、やっていけなくて、瞳に対しても「ごめんね」って誤って許してもらわなきゃならないこともあったんだと思いますね。百子と瞳は2人きりでしたから。
司会者♪ だから百子は瞳の夢を応援するんですね。
飯島★☆ それだけでなく、百子は勝太郎という父親にすごく厳しく育てられたんです。それがすごく窮屈で、二十歳ぐらいになったときに弾けちゃって、瞳の父親と駆け落ち同然に家を飛び出してしまった。そういうことを自分が経験しているから、自分の娘だけは、同じ思いをさせたくない、って気持ちがすごく強いんですよ。だから瞳にだけは「自分のやりたいことをやりなさい!」って言うんじゃないでしょうか。それと、百子は自分が二十歳の時にはやりたいことが見つからなかったんですよね。私もそうでしたが、10代の終ごろって、ある程度の夢があるじゃないですか。それが百子の中で見つからないまま、流されてきてしまった部分があって、だからなお更瞳には、好きなことをさせたいんじゃないかな、と思います。特に百子はお父さんとの関係が修復できていないので、そういう気持ちがすごく出てくるんでしょうね。
司会者♪ しかし、今週は勝太郎との和解の兆しもありました。今後の予想は?
飯島★☆ これからは........どうなるんでしょうね(笑)。お父さんも百子もお互い少し感情が変わってきたんじゃないかな、という気がするんですよね。顔を合わせればケンカはしますが、感情の部分は昔と変わってきているんじゃないでしょうか。
まだ、台本をもらってないので先のことはわかりませんが、私の希望としては、関係を修復してもベタベタと仲のいい家族にはなりたくないんですよね。きっと、ケンカする前もベタベタしていなかっただろうと思うし。ずっとギャーギャー言い合っているような家族関係になればいいな、と思います。言い合いながらも、お互いに思いやって、愛情もあって、という家族になりたいですね。お互いの気持ちがそうなることを願っています。
▲ドラマが始まった頃は不思議な親子関係だと思って違和感がありましたが、最近のふたりはとってもいい感じっ!▲