「ちりとてちん」でひときわ光るおしどり夫婦、ところが、ただいま別居中の糸子(和久井映見)と正典(松重豊)素顔の対談........byNHKステラ1/25号より抜粋
★☆二人とも”ボケ”?☆★
司会者 「糸子・正典夫婦が理想」というハガキを多数頂いて
いるんですが、お二人から見て和田夫婦、
いかがですか?
松重 糸子さんを嫁にもらった男は幸せですよ。
糸子さんて”家に居て欲しい人”ナンバーワンなんじゃ
ないですかね。
和久井 こんなお母ちゃんが?
松重 かわいいし、適度にボケてるし、絶対楽しい!
和久井 ボケがポイント?
松重 ま、ツッコミに見せかけて、実は正典も基本的に
ボケているんですけどね。
お互いそんなに鋭い夫婦じゃない(笑)
和久井 でも、ひそかにちゃんと相手のことを
思ってるんですよ。大事に大事に。
松重 糸子さんは気遣いの人よね。ボケの裏に、
繊細な気配りがすばらしいんですよ。
試写の感想がサッとメールで来たりするし、
本当にこまやか。....これ、褒め過ぎ?(笑)
和久井 あ、ここはぜひ書いてください(笑)糸子の中で
正典さんはきっと、白馬の王子様なんです。
困っているときに助けにきてくれて、
いつも大黒柱としてドンと存在していて。
お父ちゃんと初めて会った時のことを
「シューッと背高うて」と喜代美にのろける
シーンがありますが、糸子の中にはその姿が、
今もキラキラと残っているんでしょうね。
松重 ってことは、その一瞬さえあれば後はどうでも、一生
幸せになれるってことですね(笑)。
★☆夫婦ゲンカ、どちらが悪い?☆★
司会者 そんなおしどり夫婦が別居中ですね。
原因は和田家の苦しい台所事情と、
若狭塗箸製作所との合併問題でしたが...
和久井 こじれました。放送2週間半、ケンカしたまま(笑)
松重 夫婦ゲンカって、そういうところありますよね。
女房に知られたくない感情的なことを
「こうしたほうがいいんじゃない」と言われて
「うるさい!」となったら、もう謝れない。
正典にとっては、
秀臣さんとの関係が地雷だったんじゃないかな。
和久井 糸子にとっては、人生を共に歩んできた
お父ちゃんに「やりくりがしんどいだけなんと
ちゃうんか」と言われのが......。
でも、鯖江に居たときからずっと家計のやるくりが
大変だった、と言ってしまったのは、あれは、
あれだけは絶対に言っちゃいっけない言葉ですよね。
松重 そうかもしれない。正典的には、そう思われていたと
いうことより「そこまで女房に言わせてしまった」と
いうことのほうが重いんです、たぶん。
和久井 糸子も、売り言葉に買い言葉だったと
思うんですけけど。
松重 で、お互い意地になって別居。.....
ま、いわゆる別居とはちょっと違いますが。
和久井 近所の魚屋へ........。
松重 正典も迎えに行けよ、っていうさ。あんな狭い町で、
みっともない(笑)。でも、基本的には男が悪い!
原因は、正典の生活力のなさです(笑)........
思ったんだけれど、このケンカ、小梅さんがいたら
ここまでこじれなかったんじゃない?
小梅さんがスペインに行っている間に、
和田家ボロボロですよ。
和久井 確かに。きっと一喝して仕切ってくれますよね。
松重 「正典、謝りなれ」。
和久井 「糸子さんあんたも恥ずかしいことしなんな」(笑)
松重 それが、不在中に小次郎は出て行くわ、
糸子は家出だわ。
「母ちゃん、はよ帰ってきてけえ!」って思いますね。
☆★20歳の壁★☆
司会者 今週は、二人の出会いのエピソードがでてくるのも
見どころの一つですね。
松重 いや..........25年前、20才の正典をやらなきゃいけない
というのが、僕としては(ちりとてちん)始まって以来、
最大の壁だったんですけど。
和久井 私もです!落語の説明のシーンみたいに
コミカルなわけでなく、大まじめだし。
松重 大メロドラマを「正典、20歳」でやらなきゃいけない。
最初は「ヒッピー風はどうだろ」と、ロングヘア、
ベルボトムで衣装合わせしたんだけれど、
やっぱりコントにしかならなくて(笑)。
でもこのまま普通の顔して「20歳です」とも言えないし、
どこかにひねりを入れようということになったんです。
司会者 どうひねったんですか?
松重 リーゼントにしたんです。リーゼントとつなぎ。
ダウンタウン・ブギウギ・バンド!
和久井 そのイメージだったんですね。
松重 これでいけば、宇崎竜童さん・阿木燿子さんご夫妻に
なるんじゃないかと(笑)僕としては、
阿木さんのおでこと和久井さんのおでこが。
ちょっとリンクしてまして。
和久井 おでこつながり(笑)
松重 年代的にもそうだし、宇崎さんご夫妻は僕から見ると、
理想の夫婦なんですよ。
和久井 私はこれまで、ずっと安心しきって糸子を演じて
いたんです。体のラインが多少丸くても
「これは糸子らしいんだ」と言い聞かせて。
なのに、急に20歳って......。
そんな簡単に20歳の体に戻れません(笑)。
松重 まったく問題ないですよ。
どこから見ても20才の輝きがありました。
僕が保証します!僕のは衝撃映像ですけど(笑)。
★☆和田家の親子関係☆★
司会者 夫婦関係だけでなくて、二人の子どもだちへの
接し方も、支持が高いんです。
糸子と正典の喜代美たちへの接し方、
どうご覧になっていますか?
和久井 いい距離感だと思いますよ。糸子は反対しつつも、
わりといろんなことを認めていくじゃないですか。
大阪に出るときも落語家になるときも。
糸子は自分の人生を踏まえた上で、
娘が本当にやりたいことには背中を押して
いますよね。それは、万が一何かあっても、
糸子には受け入れ態勢ができているからだと
思うんです。
松重 母と娘の絆って、いいですよね。うらやましい。
和久井 私自身、母と同じぐらいの年齢、立場になって、
やっと「あの時母はこんな思いだったんだ」と
気づいたり、感謝できるようになりました。
それまでは喜代美と同じで、母親の真意になんて
全然気づかないし、
自分のことしか考えられませんでしたね。
司会者 父と娘はいかがですか?
松重 僕も娘がいますが、喜代美の場合は
「弟子入りした」というのがあるじゃないですか。
師匠は喜代美にとって、ある意味、父親ですよね。
そこにやったからには、彼女を独立した一人の
人間として
見なきゃいけないと思っているんじゃないかな。
和久井 覚悟みたいなものが。
松重 うん。嫁にやる以上に、弟子入りのほうが、
正典には大きかったんじゃないでしょうか。
司会者 喜代美を演じる貫地谷しほりさんはどうですか
和久井 よくできた娘です!
松重 しほりちゃんには、何の心配もしていません。
彼女は「茎のしっかりした花」だから、どうやったって
折れないし、どんどん大きくなる。向上心もすごいしね。
喜代美が成長する以上に、貫地谷しほりという女優が
成長していくのを間近で見られるのが、すごくうれしい。
和久井 本当にしっかりした方だから、
私のほうが足を引っ張っているんじゃないかと。
松重 何を言ってるのよ(笑)
和久井 だって、すごく大人なんですよ。
松重 それはわかります。一人ひとりに
「疲れてないですか?」って目配りしたり、離れた所に
一人でいる人を見つけたら
「何でそんなに静かなんですか!」って声をかけたり。
わりと座長的な気の遣いかたをするから。
和久井 だからこそ、あまり気を遣わせたらいけないな、
とも思うんです。
★☆ホームドラマとしての(ちりとてちん)☆★
司会者 仲のいい撮影現場の中でも、特に和田家は
関係が蜜ですね。
松重 うん、これほど仲良くなった背景には、
小次郎の京本雅樹さんの存在が大きいんです。
和久井 京本さんも、お気遣いくださる優しい方ですよね。
松重 初対面でも、100年前から知っているような顔をして、
濃いコミニュケーションをしてくださるから(笑)。
京本さんが接着剤になって、急速に家族の親密度が
増したというか。弟役ですが現場では兄貴です。
和久井 お父ちゃんもですよ。喜代美を中心に、
お父ちゃんと小次郎さんと、大人の男の人の
たたずまいがあるから、私たちは居心地よく
現場にいられるんです。
司会者 その空気のよさが、画面から伝わってきます。
松重 「ちりとてちん」は本当のホームドラマじゃないですか。
どれだけ揉めても、最終的には家族のもとに
戻ってくれば、絶対に答えが見つかるという。
そういう家族を演じなければいけないし、
この家族像は今後、どれだけ形を変えたとしても、
連続テレビ小説というものに必要不可欠なんじゃ
ないかと思います。
和久井 帰ってくる場所があるから、
みんな好きなことができる。
五木ひろしさんの「ふるさと」じゃないですけど......。
松重 うん。やっぱり糸子さんのいる”ふるさと”
あの台所と居間のテーブルが、和田家の
メインステージです。
そこを守る糸子さんは大変でしょうけど。
和久井 だから、家出しちゃうんですよね(笑)
★☆ 2人のハートが描かれる☆★
司会者 ケンカの決着も含め、今週は見どころ満載ですね。
和久井 ケンカの流れの中で、糸子と正典の歴史が2人の
ハートの部分がきちっと描かれていますし、
「ここまで考えてあったんだ」という、落語と物語の
リンクも、新たな発見じゃないかと思います。
松重 僕はもう、20歳の可憐な糸子さんを見てもらえれば(笑)
和久井 またそれを言うんですね(笑)。
見てがっかりされたら本当に申し訳ないんですけど。
松重 何言ってるんですか。
僕は間近でああいうお芝居を見られただけで、
このドラマにおけるピークを体験しましたよ。
俳優人生のピークかもしれない。
和久井 打ち上げでもないのに、こんなに褒めていただいて.....。
今度、ごはんごちそうさせてください(笑)
松重 やった!和久井さんと食べられるだけでいいのに、
払っていただけるなんて。....これから、もっと褒めよう。
和久井 そういうオチですか!(爆笑)
以上
控えめながら丁寧に語す和久井さんと、いかにも俳優らしい視点と落語的要素をも駆使しながら語る愉快な松重さんでした。それはそうと、20歳の糸子さん楽しみですぅo(*^^*)oわくわく!